GoProの手ぶれ補正「HyperSmooth」の歴代バージョンと機能との違いまとめ
GoProの特徴でもあり魅力でもある、手ぶれ補正機能「HyperSmooth」。これまでの歴代バージョンと、バージョンごとの機能の違いをまとめました。
公開日: 2024.10.6
HyperSmoothの歴代バージョンと機能の比較一覧
最初にGoProのHyperSmoothの歴代バージョンと機能の比較一覧にまとめました。ここだけでも大まかなバージョンごとの違いがわかるようになっています。
HyperSmoothバージョン | 手ぶれ補正モード | ブースト | 自動ブースト | 水平維持 |
---|---|---|---|---|
HyperSmooth (1.0) | オン、オフ | - | - | - |
HyperSmooth 2.0 | オン、オフ、高、ブースト | ✓ (一部の解像度) | - | - |
HyperSmooth 3.0 | オン、オフ、高、ブースト | ✓ | - | ✓ 最大45度 (一部の解像度) |
HyperSmooth 4.0 | オン、標準、高、ブースト | ✓ | - | ✓ 最大45度 |
HyperSmooth 5.0 | オン、標準、ブースト、自動ブースト | ✓ | ✓ (一部の解像度) | ✓ 最大360度 |
HyperSmooth 6.0 | オン、オフ、自動ブースト | ✓ | ✓ (一部の解像度) | ✓ 最大360度 |
この表からもわかるように、GoProのHyperSmoothは「一部の解像度・フレームレートで使える制限付きで新機能が登場」し、「次の世代で新機能の対応解像度・フレームレートが拡大する」という進化を続けています。
その意味では、新しいHyperSmoothの機能が追加されたら「その次の世代を買うのがベスト」と言えるでしょう。
HyperSmoothのバージョンごとの特徴
HyperSmooth(1.0)
GoPro HERO7 Blackで初めて搭載された「HyperSmooth」。これまでもGoProには手ぶれ補正機能が搭載されていましたが、明確に機能名が付いたのは初めてでした。
HyperSmooth 1.0とも言えるこのバージョンは、手ぶれ補正機能が向上したことを除けば明確な新機能が追加されてはいません。
HyperSmooth 2.0
GoPro HERO8 BlackでバージョンアップされたのがHyperSmooth 2.0。
これまでのGoProの手ぶれ補正はオン・オフのみでしたが、HyperSmooth 2.0からは「高」や「ブースト」など、ユーザーが手ぶれ補正レベルを指定できるようになりました。
HyperSmooth 2.0では設定可能な手ぶれ補正レベルは、
- ブースト
- 高
- オン
の3段階(オフも加えると4モード)。ただし、「高」や「ブースト」などのモードを指定できる撮影解像度・モードに制限があります1。
HyperSmooth 3.0
GoPro HERO9 BlackでバージョンアップされたのがHyperSmooth 3.0。
HyperSmooth 3.0では手ぶれ補正に「リニア + HL」と呼ばれる水平維持モードが追加されました。水平維持モードは45度(ブーストモード時、通常手ぶれ補正時は32度まで)までの傾きを無効化し、GoProが傾いていても映像は水平のまま維持することができます2。
また、マイナーアップデートとしては、HyperSmooth 2.0では一部の解像度に制限されていた「手ぶれ補正ブーストモード」が全ての解像度・フレームレートで適用できるようになっています。
HyperSmooth 4.0
GoPro HERO10 Blackで搭載されたのがHyperSmooth 4.0。
HyperSmooth 4.0の最大のアップデートは、水平維持機能の強化。HyperSmooth 4.0よりも多くの解像度・フレームレートで水平維持モードである「リニア + HL」が選択できるようになっています3。
なお、HyperSmooth 4.0では、これまでの手ぶれ補正モードの表記(オン、オフ、高、ブースト)が「オフ、標準、高、ブースト」という名称に変更されています。
HyperSmooth 5.0
GoPro HERO11 Blackで搭載されたのがHyperSmooth 5.0。ここ数年で一番評価が高く「HyperSmoothの完成形」とも呼ばれています。
手ぶれ補正がさらに強力に進化したほか、新たに「自動ブースト機能」が追加。これまでは手ぶれ補正が強くかかる「ブーストモード」で撮影すると、映像がクロップされてしまうというデメリットがありましたが、自動ブーストモードでは、急激な手ぶれが発生した時のみGoProが自動判定してブーストモードに入るようになったことで、可能な限りの超広角を保ちつつ、最大限のブレ補正をすることを両立させています。
自動ブーストの登場に合わせて、ユーザーが選択できる手ぶれ補正モードは「オフ」「オン」「ブースト」「自動ブースト」の4モードになりました。
また、HyperSmooth 3.0で登場し、HyperSmooth 4.0で強化された水平維持機能がついに360度維持まで大幅進化。たとえ飛行機で360度回転をしても、水平線はそのままという不思議な映像が撮影できるようになっています。
HyperSmooth 6.0
プロ向け機能を大量追加したGoPro HERO12 Blackで搭載されたのがHyperSmooth 6.0。
HyperSmooth 6.0は大幅な機能追加というよりかはHyperSmooth 5.0のマイナーアップグレード版とも言える内容で、これまで複数あった手ぶれ補正モード(オフ、オン、ブースト、自動ブースト)を「オン」「オフ」「自動ブースト」の3つに簡略化。さらに、16:9、4:3では全ての解像度・フレームレートで自動ブーストを利用可能にすることで、「モードを意識しないでも最高の手ぶれ補正ができる」機能へとアップデートされています。
なお、HyperSmooth 6.0はGoPro HERO12 Blackの後継機種であるGoPro HERO13 Blackでも継続搭載となっており、その意味でも「HyperSmoothの完成形」に近いのかもしれません。
Footnotes
タグ:GoProの基本機能